コロナ禍の真っ最中ではありますが、全国各地で、ピアノコンクールが予選の時期を迎えています。
コンクールとは、審査員(他人)の価値観に基づく客観的な評価を受ける場です。
ですから、点数評価であったり、賞がついてきたりします。
子どもたちは、「金メダルを取りたい!」という希望をもって、コンクールに励みます。
コンクールは、一定の期間、その曲と対峙して、完成度の高い仕上げができるという面では効果的です。
そして、どんなに小さい子だろうが、「人の前で弾く」という、自己責任の上に成り立っているので、人間的にはうんと成長します。
入賞すればうれしいし、選外になれば悔しいです。
その、「悔しい」という気持ちを味わった子は、そこから次にどういうスタンスでピアノと向かい合うか、
乗り越えるべき大きな山に直面し、その山を越えたとき、はじめて、そのコンクールに出たことが「成果」として表れるのです。
娘が小学校3年生くらいの時でした。
予選を通過し、次の大会に出たときの掲示発表の時の話です。
地区大会で、はじめて入賞しました。いつもより大きい賞状をもらい、夏の暑い時期に頑張ってよかった、でも、もう一つ上の賞なら、全国大会に行けたのに、、、という、なんとも複雑な気分を味わっていたそうです。
その時、いつもコンクールで顔をあわせて、いつのまにか仲良しになっていたHちゃんに、
「Yちゃん、おめでとう」と言ってくれました。
「Hちゃんの方がすごいよ、おめでとう」・・・Hちゃんは、毎回全国大会に行っているつわものです。
でも、この時は、全国への切符を逃してしまいました。
「でも、全国に行けないし。ま、次がんばろ!」と、けろっとして走っていきました。
自分は相当悔しかったと思うんです。でも、先に、娘に対して「おめでとう」を言えるって、
この子はすごい人間力の高い子だなぁ・・・と、感銘を受けました。
それはピアノの世界だけでなく、きっと、学校や、コミュニティでも、そのやさしさをもって人に接することができるんだと思うわけです。
Hちゃんは、コンクールを通して、いい勉強をしているなぁ、と思っています。
そのためには、年に1回のコンクールで一喜一憂してはだめです。
コンクールでなくても、人の前で弾く、他人の評価をもらうことが大事だと思います。
野球をしている子が、毎週練習試合があるのと大差ありません。
私自身も、コンクールの経験は、音大を出てからもあります。
一緒に目指してみませんか?ピアノコンクールを通して、自分を高める旅に行きませんか?
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